協和発酵バイオ株式会社 | 株式会社エモーションテック

CASE STUDIES

導入事例

協和発酵バイオ株式会社

コンシューマープロダクト事業部/北村明美さま

会社の重要指標とNPS®の関係性を分析で明らかに。 CX調査を軌道に乗せた協和発酵バイオの変革ストーリー。


1949年に創立した協和発酵工業株式会社からバイオケミカル事業を分社化し、2008年に設立した協和発酵バイオ株式会社。自社で原料から製造しているオルニチンやシトルリン等のアミノ酸を配合したサプリメントを主力商品とした通信販売事業を、2005年から本格的に開始。社内に根付きづらかったNPSの有用性の確立から施策実行までの一連の活動を取材しました。

―「EmotionTech CX」導入以前のCX施策について教えてください。
私たち協和発酵バイオは、1949年創業の協和発酵工業株式会社を前身とした原料メーカーです。広告等を見かけた方からは「通信販売の会社」という印象を持たれているかもしれませんが、実際はサプリメント等の原料を企業向けに販売していることが主な会社なんです。

通信販売業は、15年前程から開始しています。主力商品は、オルニチンやシトルリン等のアミノ酸の商品です。

私が現在所属するコンシューマープロダクト事業部のCRMチームは、通信販売事業における顧客体験向上施策を考えるチーム。定期購入者の満足度を上げ、いかに継続率を向上させるか。これがメインミッションです。

「EmotionTech CX」を導入するまでは、本格的なCX調査は行っておらず、電話やお手紙等でお客様から寄せられたご要望をもとに改善施策を考えていました。エモーションテック社との付き合いが始まったのは2017年からです。といっても、私が現在の部署に来たのが2018年の夏からなので、前任者の時代からお付き合いがあります。

―着任された当時の御社のCX施策の状況や課題感を教えてください。

それまで私は社内で別の事業に携わっていたので、正直着任時はNPSという言葉すらも初めて聞く状態。最初は自分に務まるかと不安でしたね(笑)。

その時、すでに前任者によって「EmotionTech CX」を使った定期調査が定期的に行われていました。この定期調査とは、一定の継続タイミングを迎えるお客様のロイヤルティを確認するために行っている調査です。

「あなたは協和発酵バイオの通信販売を親しい友人にどれくらいおすすめしたいですか?」という推奨度を探る質問と、そしてそれらの要因となる質問を続けて調査をします。

折角行っていた調査でしたが、どう活用するかが定まっておらず、その結果は社内管理のエクセルにまとめているだけ。
分析出来ていなくて、もったいないなという印象でした。

なぜこのような状況だったかというと、この時はまだNPSの有用性が社内で確立出来ていなかったからでした。

通信販売事業というのは、ご購入くださるお客様の購買情報を正確に保持出来るという特性があります。つまり、定量的で信頼に足るデータを持っています。一方NPSは、お客様が回答した「声」から紐解くという、いわば心情的なデータです。
正直言うと、この時はまだ当社にとってNPSが信頼に足る存在になれていなかったのです。

NPSの価値を上手く見いだせていないし、調査の結果を上手に使いこなせていない。これはどうにかしなくちゃならないな、と思いましたね。

通信販売事業にとって重要な「継続率」と「NPS」の関係性を明らかにして、NPSの有用性を確認。

―NPSに価値を見いだせていない現状を目の当たりにされて、どのような事に着手されましたか?


私の着任と同時に、エモーションテック社の担当コンサルタントも変わって、その方と「これまで協和発酵バイオで、NPSが社内に定着しなかった理由は何か?」という観点で、NPSに価値を見いだせなかった原因を探ってみたんです。

すると、「NPSを改善することで、本当に継続率が向上するのか」ということが明らかにされていないということが分かりました。

私たちのような通信販売事業者にとっては、解約者を減らし、いかに継続者を増やせるかがとても大切な指標です。ここを明らかにすることが出来れば、NPSは非常に重要なKPIになると確信しました。

早速、NPSと継続率との相関性を明らかにするため、エモーションテック社のコンサルタントに依頼し、1年前にNPS調査に回答したお客様が、その後どの程度サービスを継続利用し続けているかというデータを元に、分析をしてもらいました。

すると、NPS(推奨度)と継続率が大きく関係していることがわかりました。

上記のグラフは、アンケート後、一定期間内における解約率と推奨度との関係性を示したグラフです。例えば、9-10点を付けたお客様が、どれくらい解約したかを追跡し、分析した結果です。

その他にも、NPSを高めることが、特に継続期間の長い方の解約リスク軽減効果が確かにあること、推奨度9点以上を得ることでその後の注文金額が1.2~2倍程度増加すること、逆に推奨度が低い場合は、1年以内にかなりの割合のお客様が解約していること等、以上のような事実がこの調査から読み取れたんです。

この結果を見た時、「NPSは、継続率の先行指標になる!」ということを実感することが出来て、嬉しかったですね。

これまでは、新しい施策を実施した後、それが継続率に良い影響を与えたかを確認する為には、その後の購買データを長い期間追いかける必要がありました。でも、今こうしてNPSが先行指標であることが分かったことで、これからは施策後の調査で推奨度を確認すれば、その施策が「良かったかどうか」を見分けることが出来る。
これは、会社にとって非常に大きな収穫だと思います。

深堀調査でより具体的なCXを特定し打ち手を明らかに。

―NPSに価値を見いだせていない現状を目の当たりにされて、どのような事に着手されましたか?

まず、NPSを高める具体策を考えるため、改善効果の高いCXに着目することにしました。

エモーションテック社の分析手法に、カスタマージャーニーマップというものがあります。
これは、改善効果の高いCXが一目で分かるというものなのですが、私が着任する以前に行われていた全体調査の結果から改善効果の高いCXを特定しました。すると、「メルマガ」、「商品同梱物」、「ポイント制度」の3つのCXがお客様にとって重要な体験であることがわかりました。

ですが、このままだと、具体的策を実行するにはCXの粒度が大きすぎます。
この大きなCXの塊を、施策に落とし込めるくらい明確なCXにまで細分化するため、更にそれぞれの深堀調査を実行しました。

すると、以下のように3つの打ち手が見えてきました。

まず「メルマガ」は、「メルマガの内容・魅力」が重要なCXであることが分かりました。この結果を受けて、お客様がより一層メルマガを楽しんで見ていただけるよう、動画を盛り込むなど、コンテンツの内容にこだわるよう改善しました。

次に「商品同梱物」は、「通信誌の購読の有無」が重要なCXであることが分かりました。通信誌は定期購入の特典サービスの1つとして、お客様がお試し品を購入した時に案内していました。しかし、案内チラシに表紙画像を掲載しているのみでしたので、内容が伝わりません。そこでその魅力を伝えようということで、お試し購入者用の簡易冊子を作成し送付することにしました。

最後は「ポイント制度」で、調査から「マイページでポイントが確認できることを知っている」といったことが重要なCXであることが分かりましたので、マイページ内でポイントの残高を確認出来る事実を通信誌で伝えたりと、伝え方に工夫を加えることにしました。

コミュニケーションツールである通信誌の課題点も、可視化の技術で明らかに。

―その他に実施した調査があれば教えてください。

上記以外では、通信誌「素敵なあしたへ」の内容に関する調査を行いました。
これは、定期購入のお客様へお送りしている情報誌のことです。

この通信誌は、私たちにとってお客様との絆を築くための重要なコミュニケーションツールと位置づけています。しかし、理想的なコミュニケーションツールと呼べるようになるまでには、何かもっと工夫が必要だと思っていました。
具体的に何がどう問題なのか、上手く言い当てることは出来ませんでしたので、この調査では、通信誌の課題を明らかにしたいという狙いがありました。

調査は「あなたは通信誌を知人にどれくらいお勧めしたいですか?」という質問からはじめ、その内容の詳細を確認する内容です。

結果は「掲載内容の有用性」という項目に課題があることが分かりました。


結果を見て納得しました。
というのも、これまでは当社のアミノ酸製造技術の基盤である「発酵」にちなんで、納豆や醤油等の発酵食品の製造法に関する特集をすることが多かったのですが、サプリメントをご購入いただいているお客様の関心が高いであろう健康に関する話題の掲載がほとんどありませんでした。
お客様は「自分にとって役に立つ情報」を求めている、ということが結果として見えました。

この結果を受け、すぐに企画内容を反映させ、
健康に関するトピックをメインに入れるようにしました。

ちなみに、通信誌の名称も改め『素敵なあしたへ』としました。
日々の暮らしや健康に寄り添った話題をお届けすることで、お客様のあしたがさらに素敵になるように、との想いを込めています。
改善したサービスを通じて、当社の製品を長くご愛用いただく事で、お客様の健康を支える一助になれればメーカーとしてこんなうれしい事はありません。

―今後挑戦してみたいことがあれば教えてください。

先日行ったブランドの印象を確認する全体調査の結果からは、「会員キャンペーン」というCXに課題があるということが明らかになりましたので、今後は、長く継続してくださっているお客様に少しでも感謝を伝えられるような施策を具体的に検討していきたいなと考えています。

また「EmotionTech CX」は、アンケートツールとしての利用ももちろん可能です。
これまで商品開発のための簡易アンケートや、販売した商品の感想を聞くアンケート等としても使っており、今後も社内の多くの部署で様々な使い方で活用させて頂きたいと思っています。

施策を打ったら、定期的な調査で推奨度の変化を確認し、
施策の成功についても効果検証を続けていきたいと考えています。

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