アイ・ケイ・ケイ株式会社 | 株式会社エモーションテック

CASE STUDIES

導入事例

アイ・ケイ・ケイ株式会社

(左から)
チーフリーダーservice 渋田 基樹様
営業企画部次長兼総支配人 森木 信吉様
支配人 坂口 達郎様
サービスコンシェルジュ 田谷友博様

顧客体験(CX)改善が軌道に乗り、NPS®が20上昇。 顧客志向の良質な体験が次々と生まれはじめた、 IKKの顧客体験向上の秘訣とは?

ゲストハウス型の結婚式場「ララシャンス」を全国に展開するアイ・ケイ・ケイ株式会社。
長らくはがきによるCS調査を実施していましたが、結果の分析や共有までのリードタイムが長く、上手に改善活動に繋げることが出来ませんでした。
このような中、NPSやエモーションテックの顧客体験マネジメント(CXM)の考え方に出会い、CX調査を開始。その結果、NPSが20も向上。スタッフが一丸となって質の高い接客を創出するために行っている施策について、詳しく伺いました。

―これまでの顧客体験向上のための取り組みを教えてください。

森木信吉様(以下、森木氏):
これまでIKKでは、はがきを用いたCS調査を実施していました。
5段階評価で満足・不満足を尋ねて計測するというものでしたが、紙での調査というのもあり、運用が大変でした。

この調査は、各店舗でお渡しする引き出物袋の中にはがきを入れ、返送はがきを本部で一括集計し店舗にフィードバックするという流れでした。しかしこの運用だと集計に時間がかかってしまい、日々行っている私達の活動をすぐに振り返り、改善に活かしていくことができませんでした。また、お客様からのご指摘・クレームの対応が活動の中心であったために、不満の声ばかりが注目されてしまい、スタッフにとっても「顧客満足の向上」に意欲的に取り組みにくい状況になっていたように思います。

坂口達郎様(以下、坂口氏):
お客様からお褒めの声も多く頂いている中で、お客様の不満の声に着目せざるを得ない状況は、支配人の立場としても現場の士気を醸成しづらいと感じていました。

毎月の不満評価に気をもみながら、良いアンケート結果については現場に降りてくるのが数カ月後。そのような状況でしたから、本来嬉しいはずのお褒めの言葉が届いた頃には時間もすっかり経過し、「このお褒めの言葉、何の婚礼の、どんな事に対してのお褒めの言葉だったっけ…」という事態も、しばしば見受けられました。

―EmotionTechの導入背景を教えてください。

森木氏:
導入にあたっては、新たなビジョン達成に向け、営業戦略を描き直していた背景がありました。私たちの現在の経営課題は、競合他社との差別化を図り、お客様から選ばれつづける企業になることです。IKKとして大きく掲げている「日本を代表する感動創造カンパニーになる」というビジョン達成を行う上でも、競合優位性を構築していくことが重要です。

営業企画部次長兼総支配人 森木 信吉様

そこで何が必要かと模索していたところ、NPSの「他者にどれくらいおすすめ(推奨)したいか」というユニークな質問手法を知りました。

この指標を使った調査であれば、満足・不満足といった世界観とは一線を画す感動体験の創造に繋がるかもしれない。そう感じ、日本におけるNPS調査の導入実績を多数もっているエモーションテックの導入を決めました。

▶NPSの考え方が浸透し、接客の質が変化。“不満を減らす接客”から“推奨者を生み出すための接客”へ。

―EmotionTechの導入によって、大きく変化を感じたことは何かありますか?

坂口氏:
現在、ご成婚後の新郎新婦と、親族やご友人などのご参列者に向けたCX調査を行っていますが、最も大きい効果として実感していることは、アルバイトを含め現場のスタッフの意識が高まった結果、スタッフ一人ひとりの行動が変化していることです。

支配人 坂口 達郎様

NPSを高めるためには、0~10の11段階の中で「9」と「10」を付ける推奨者(=ファン)を増やさなくてはなりませんが、これまでのようにお客様からのご不満やご指摘に対応しているだけでは、お客様はファンになってくれません。
ファンを増やしていくためには「これまでのやり方だけではダメだ」と気づけたことは、現場の意識醸成の第一のきっかけとなったように思いますね。

田谷友博様(以下、田谷氏):
NPSの導入から現場の意識が少しずつ変わっていき、接客の質が随分と変わりました

サービスコンシェルジュ 田谷 友博様

例えば、これまではお客様が頼んだドリンクを遅延なく提供するなど「なるべく失敗しないような行動を」という意識が強く、マイナスを生み出さない行動を取る傾向にあったため、消極的な接客になってしまうスタッフもいました。

一方、NPSを使った調査に変わってからは、積極的にお客様とコミュニケーションをとるなど「お客様に喜ばれ、推奨者となっていただくためにはどのような体験を提供したらよいだろう」という考え方に変わり、プラスを生む出すための積極的な行動が見られるようになりました。

CX調査を導入してから、明らかにお客様対応の質が変わったと実感しています。

▶カスタマージャーニーマップを考え抜いたことで、顧客視点が醸成された。

森木氏:
カスタマージャーニーを、全店で徹底的に考え抜いたことも良かったです。
EmotionTechでは「あなたは〇〇をどれくらいおすすめしたいですか?」というNPSを算出する質問の後に各顧客体験に関する質問を重ねて行います。
これは、分析時に推奨度向上に繋がる各体験の重要度を算出するために必要な質問構成なのですが、この質問づくりにおいて肝になるのが、カスタマージャーニーの考え方です。

カスタマージャーニーを作成するにあたっては、店舗毎に特長がありますから、まず、お客様が来店されてから挙式終了後までのカスタマージャーニーマップを店舗毎にひいてもらうところから始めました。

「この体験時にお客様は一体どんな心境で来られるだろうか」ということを全員が徹底的に考えぬいた経験によって、より顧客視点が醸成されたと考えています。

澁田基樹氏(以下、澁田氏):
このような一連の活動を通して社内では「ファン」や「顧客接点」という言葉が飛び交うようになりました。

気が付くとお客様と積極的に対話をするスタッフが増え、積極的な感動体験の創造に踏み込むシーンを数多く見受けるようになっています。

チーフリーダーservice 澁田 基樹様

また、婚礼終了後の終礼で振り返りの時間を取っているのですが、エモーションテックの調査はタイムリーに集計されるため、そこで語られた良かった点や反省点が、翌週には確認できるようになった点も良かったです。自分が行った接客とお客様との評価との答え合わせが出来るような仕組みとなっているため、お客様に満足いただいた接客対応を継続したり、改善点をすぐに解決したりと具体的なアクションに結びつけやすくなったと実感しています。

自分達のやっていることが適切に評価されている感覚がスタッフに芽生え、従業員のモチベーション向上にも繋がっていると実感しています。

「笑顔で元気に挨拶をしよう」、「テーブル周りにいるよう意識しよう」など、その日の取組みを事前にみんなで決められるようになったということも、そのようなことが背景にあります。

▶CX調査のループが回り始めたことで、回答率にも気を配れるように。

―CX調査がここまでスタッフの皆さんの意識と行動の変化に繋がるのは、素晴らしいですね。

坂口氏:
NPSの理解が浸透し調査が上手く作用していく中で、お客様からのアンケート回答率にも気を配れるようになりました。

ただお客様の引き出物にアンケートを入れるだけではなく、アンケートを実施していることをお知らせするために、A4サイズに拡大したアンケートを用意してご案内を強調したり、お出口のお見送りのシーンでお配りする等、店舗毎に創意工夫をするようにもなりました。

これをやっていて気が付いたことは、単純にアンケートに回答していただくというのも、コミュニケーションの仕方次第で回答率が変わるということです。

「本日のご感想をぜひ教えてください」というような心地のよいコミュニケーションをお客様とスタッフとの間で取ることが出来れば、お客様にとってはそれ自体が良い体験となり、回答にも繋がりやすくなるのです。

▶分析結果からは、お客様から期待されている体験やお客様の心情の変化が見えた。

―調査結果から見えた、意外な発見はありましたか?

澁田氏:
まずは、お客様にとって重要な体験が発見できたことです。
お客様はラウンジや披露宴会場での滞在時間が最も多く、滞在時間の短い駐車場やエントランスにおける体験についてはこれまであまり着目していませんでした。しかしカスタマージャーニーに沿って顧客体験を分析してみると、この駐車場やエントランスの体験がNPS改善において重要だということがわかりました。

エントランスや駐車場等の課題点が見えてきたことから、お車で来場された方へのお声がけやエントランスへの誘導などを積極的に行い、巡回の見直しに必要な人数や、表情豊かな人員の手配など、確認するべき項目のチェックリストを作り、徹底しました。

坂口氏:
あとは、調査をしなければ見えなかったお客様の意外な心情の変化が見えたこともありました。

ある婚礼でクレームが発生していた時のことです。婚礼までの接客過程で不手際がありクレームに発展してしまったため、当日スタッフは万全の体制で臨んでいました。そして、結婚式後のアンケート結果を見てみると、お褒めの言葉が書かれていたのです。

回答内容を読み込んでみると、当日スタッフ以外にも事前クレームの経緯を知らない、たまたま駐車場対応をしていたスタッフも会場接客にあたっていたのですが、このヘルプのスタッフの心遣いや気遣いが素晴らしかったと非常に喜んでいただき、心に残る接客だったとお褒めいただいたのでした。

スタッフの接客力によってクレームを挽回できたというエピソードなのですが、本人はもちろん、周囲のモチベーション向上にも繋がる結果となり、スタッフのやりがいを高めることができました。

また、当日内容が確認できたので、誰の接客だったのか、なぜそこにいたかのという経緯も追うことができ、現場の学びになりました。すぐに結果が確認できるCX調査がなければ、気付けなかった内容だと思っています。
改めて結婚式というのは、「人が作っていくものなのだ」と実感しました。

―EmotionTechのシステムで気に入っているポイントがあれば、教えてください。

坂口氏:
ダッシュボード(管理画面)が直感的に使いやすく、分析では属性別分析をよく使っています。

親族よりも友人の回答率が高いことや、WEB回答に抵抗があるゲストには、あえてアナログで回答を促す等、ゲストに応じたサービスへと変えていけることも、属性別分析が教えてくれました。

澁田氏:
管理画面の選択ボタンが最小限で、ジャーニーマップがビジュアル化されているのがわかりやすいです。ストレスフリーで良いと思います。

森木氏:
ジャーニーマップ分析は、やはり分かりやすいです。
この分析であれば、何をすれば推奨者が増えるかという伸びしろを教えてくれるため、見ていて非常に面白いです。

その他には、ダッシュボード上で推移が見れるのも良いですよ。


また、新たなアンケートを新設する時には、エモーションテックのカスタマーサクセスに連絡しています。サポート体制も良く、いつでも相談に乗ってくださる点も良いです。

―今後、CX向上に繋がることで、挑戦してみたいことがあれば教えてください。

坂口氏:
現在、全国18店舗でCX調査を走らせているのですが、より店舗の特色に特化したアンケートに進化させていきたいと思っています。そうしていくことで、より詳細に店舗毎の分析が出来ますし、その改善のループを回していくことに注力していきたいと考えています。

澁田氏:
私たちのお客様は、「7」や「8」を付ける中立者が多いため、今後は中立者を推奨者に引き上げていくための活動に繋がる調査を意識的にやっていきたいです。

森木氏:
CX調査を通して、スタッフである彼ら自身が感動していなければ、真にお客様に感動体験を提供することが出来ないという考えに行きつき、考え方を共有する時間に力を注ぐようになりました。
今後は、顧客体験だけではなく、スタッフのエンゲージメント向上、従業員体験の向上にも注力したいと思っています。

 

 

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