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新規顧客を効率的に獲得するためのただ一つの方法

顧客の獲得はどの企業にとっても至上命題です。

特に事業規模を拡大していく上では、新規の顧客を継続して獲得し続ける必要があります。

しかし、市場が成熟しており競争が激しい業界では、いくら営業の人員や稼働を増やしてもなかなか思うように数字が作れないというケースも多いでしょう。

また、新規の顧客を獲得するといっても、何に力を入れれば効率よく顧客を増やすことができるかわからないということもあると思います。

そこで、このコラムではシンプルな指標を活用して、継続的に新規の顧客を獲得するためのノウハウを紹介します。

新規顧客を効率的に獲得するためのただ一つの方法画像

 

一番効率的でインパクトのある新規顧客獲得方法

一概に新規顧客の獲得といっても、広告の量を増やす、オンラインメディアを運用する、テレアポ営業を行うなど、様々な手段が考えられますが、その中でも比較的低いコストで、最も効率よく新規顧客獲得につなげることができる方法が一つあります。

それは、会社や製品に関するポジティブな口コミを増やすことです。

なぜポジティブな口コミを増やすことが最も効率的かつ、インパクトがある手法なのか、その理由を3点に分けて解説します。

 

口コミが新規顧客獲得において重要な3つの理由

1、低コストで新規の顧客を獲得できる

口コミを創出することのメリットは低いコストで新しい顧客を獲得できることです。

広告を出したり、大規模なキャンペーンを行うことは膨大な費用がかかるだけでなく、一時的には顧客獲得につながるものの継続的な施策ではないので、コストは膨大し続けます。

これに対して、顧客が優秀なセールスマンとなり新たな顧客を創出する仕組みを作ることこそが、負のサイクルを抜け出す方法になります。

 

2、口コミが購買行動に与える影響力

口コミが購買行動に及ぼす影響については数多くの研究が行われており、その影響力が証明されています。

皆さんも何か物を買うとき、親しい人の意見やインターネット上のレビューを参考にして決めた経験があるのではないでしょうか。

世界的コンサルティング会社であるMcKinsey&Company社の『A new way to measure word-of -mouth marketing』(2010)という論考では、「口コミは購買の意思決定に影響を与える要因のうち20~50%を占めており、特に初めて商品を購入する際や、高価なものを買うときには口コミが強く影響する傾向にある」と指摘されています。

加えて、例えば「携帯電話市場においては 2年間のスパンで見たときに口コミが10%~-20%のシェアの増減に影響しうる」と言及されています。

また、マルコム・グラッドウェル著『急に売れ始めるには訳がある』(2007)という口コミとネットワーク理論の研究に関する本があります。ここでは「ハッシュパピー」というアメリカ人にはおなじみの靴が製造中止を検討するほど顧客獲得に苦しみましたが、マンハッタンの若者の間で口コミによって流行りだし、やがてファッションデザイナーがとりあげると、1995年には43,000足も売れる大流行商品になった事例が紹介されています。

 

3、インターネットの普及による拡散力

口コミが顧客基盤の拡大において重要な3つ目の理由は、インターネットが普及したことで、評価が非常に拡散されやすくなったことにあります。

総務省が公表している『情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』(2017)ではすべての年代のSNS利用率は71.2%となっており多くの人が日々SNSを活用していることがわかります。

また、同総務省の『ITCの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究』(2014)ではスマートフォン保持者のうち47.9%、スマートフォンを保持していない人の43%が購買時に「購入サイト・レビューサイトの口コミ」を参考にすると回答しています。

 

以上のことから、口コミは低コストで新たに多くの顧客を獲得する有効な手段であることがわかります。

またその一方、悪い評判が立ち潜在的な顧客が他社に流れて行ってしまうリスクをはらんだ手段であり、何かしらの方法でマネジメントすることが望ましいと考えられます。

しかしながら、様々なところで不特定多数の消費者によって広められる口コミを管理することは限りなく不可能な作業に感じられるかと思います。
そこで役に立つのが、推奨度を数値化するNPS(ネット・プロモーター・スコア)という指標です。
ここからは、この指標の説明と活用事例を紹介していきたいと思います。

 

推奨度を計測する指標、NPSとは?

NPSとはNet Promoter Scoreの略で、ベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルド氏がハーバードビジネスレビューで2003年12月に発表した顧客ロイヤルティを可視化するための指標です。

Appleやメルセデス・ベンツ、フォーシーズンズホテルをはじめフォーチュン500の企業のうち約30%がすでに経営指標としてNPSを活用しているといわれています。

NPSの調査方法は非常に単純です。

まず、「〇〇を親しい友人や家族に勧めたいと思いますか?」と質問します。

その中で0〜6点を付けた人を「批判者」、7・8点を付けた人を「中立者」、9・10点を付けた人を「推奨者」と分類します。

NPSは「推奨者」の割合(仮に45%)から「批判者」の割合(仮に20%)を引いた数値(45%-20%=25%)のことを指します。(つまり、推奨者が増えるほど数値が高くなり、批判者が減るほど数値が高くなるように設計されています。)

NPSについて詳しくし知りたい方はこちらの記事をご覧ください

【徹底解説】推奨度を可視化するNPSとは?

 

NPSと顧客満足度との違い

顧客満足度調査との一番の違いは、NPSは収益性と強い相関関係があることがあげられます。

その理由としては2点あげられます。

一つ目は、口コミの発生可能性を指標に織り込んでいるからです。

質問自体、他者に推奨するかどうかを聞いているので、当然のように思えますが、NPSについて詳しく解説しているフレッド・ライクヘルド著『ネット・プロモーター経営』ではマンション販売業者の事例で、NPSを計測する質問に9点もしくは10点をつけた「推奨者」はそうでない人に比べて実際に他者に紹介した人の割合が明らかに違うという報告が紹介されています。

また、弊社で過去に調査したところ、推奨者と批判者では実際に口コミを行った人の数が2~5倍異なることがわかっています。加えて、過去の事例では推奨者がSNSで口コミを発信する割合は約25%ほどだったのに対し、批判者は6%ほどだったというケースもあり、推奨者はSNS上でも口コミを拡散するということが確認されています。

したがって、NPSを計測し、少しでも推奨者を増やすことでポジティブな口コミを伝播させ、効率よく新規顧客を獲得することができると考えられます。

 

二つ目は、「親しい友人や家族にどの程度勧めたいですか?」という質問をするため、高得点をつけるハードルが高くなっていることがあげられます。

サービスやプロダクトに対するロイヤルティが極めて高くないと親しい人に勧めることは難しく9点や10点をつけることがないため、NPSの向上が収益性に結びついていると考えられます。

下記に示しているのはPC業界と生命保険業界における年平均成長率とNPSの相関関係を図に表したグラフです。

下図の通りPC業界と生命保険業界はビジネスモデルが大きく異なりますが、同じようにNPSが高い企業ほど年平均成長率が高くなっていることがわかります。

各業界レポートはこちら

Emotion Tech 業界調査レポート

以下の項目では実際に顧客ロイヤルティを向上させるために各社がどのような取り組みを行っているかご紹介します。

 

【新規顧客獲得事例紹介】ハーレーダビッドソンジャパン

日本自動車工業会のデータによると二輪車の国内向け販売台数は1985年には約200万台あったのが2016年には半分以下の約34万台にまで落ち込んでいます。

しかしながら、ハーレーダビッドソンジャパンの国内新規登録台数は1985年には884台でしたが、2016年には10,792台と大幅に業績を伸ばしました。

市場全体が7分の1になったにも関わらず、ハーレーダビッドソンジャパンはなぜこのような業績を維持することができたのでしょうか。

 

ハーレーダビッドソンジャパンは顧客を熱狂的なロイヤルカスタマーに変えることで、マス向けの広告を打たずに新たな顧客を増やし続けていたのです。

実はハーレーダビッドソンのアメリカ本社では、先ほど紹介したNPSを実際に活用し、推奨者を増やすことでポジティブなクチコミを能動的に発生させています。

フレッド・ライクヘルド著『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』(2006)でも、ハーレーダビッドソン本社のNPSは81%であり業界のロイヤルティリーダーであると紹介されています。

アメリカの市場における数字ではありますが、ハーレーダビットソン本社が提供しているサービスは非常に高い評価を受けているといえます。

ロイヤルティの高い顧客が優秀なセールスマンと化し宣伝活動を行ったおかげで、新たなロイヤルティの高い顧客が獲得できるという好循環が生じているのは間違いないでしょう。

 

ハーレーダビッドソンジャパンが日本に設立された1989年当時、日本の自動二輪車市場はホンダやヤマハなどの大手企業が優れたバイクを比較的安価で提供し鎬を削りあっている成熟市場でした。

このような環境下で生き残るためにハーレーダビッドソンジャパンはアメリカの市場と同様に「輸送手段としてのバイク」というポジションをあえて取りませんでした。

そもそも車体が大きく小回りが利きづらいハーレーは日本の生活スタイルには不向きだったのです。

そこで、日本法人を設立した奥井前社長は自社のバイクをレジャー産業に属する製品と再定義し、日本においても「ライフスタイルを提供するバイク」というコンセプトを打ち出しました。

奥井前社長の著書『巨象に勝った ハーレーダビッドソンジャパンの信念』では「ハーレー10の楽しみ」として「知る、乗る、選ぶ、競う、出会う、装う、愛でる、海外交流、満足」を掲げており、まさにハーレーという製品を核にライフスタイルを提案する姿勢がうかがえます。

実際にハーレーダビッドソンジャパンは静岡県の富士スピードウェイで開催される最大のイベント「ブルースカイヘブン」をはじめ、各地域でハーレー所有者のために様々なイベントを開催しています。

また、ハーレーダビッドソンジャパンの会員向けサイトにはツーリングコースを提案してくれるライドプランナーというサービスがあり、オンライン、オフラインの両面からハーレーオーナーをサポートする体制が整っています。

ハーレー所有者のロイヤルティを高めるためにも、各地域に点在するディーラーは非常に重要な役割を果たしています。

例えば、定期的に各地のディーラーでオーナー向けのイベントが開催されるだけでなく、新規の顧客を継続して獲得できるよう、免許取得の補助や、ハーレーに親しんでもらうための試乗会を頻繁に開いています。

 

こうして、購入前から購入後のライフスタイルの提案まで、一貫して提供することで独自の世界観を顧客に伝え、熱狂的なファンを増やし続けているHDJはまさにロイヤルティを向上させ、より少ない宣伝費用で新たな顧客を獲得し続けている企業の代表といえるでしょう。

 

NPS解説資料ダウンロード

ポジティブなクチコミを増やし、顧客を獲得するための具体的な手法や詳細な事例は以下のホワイトペーパーより詳しくご確認いただけます。資料をダウンロードしてご覧ください。

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