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マーケティングリサーチ(調査)とは?市場のニーズを明確にする方法を紹介

売り上げを伸ばすための販売促進や消費者に評価される新商品の開発などを行うためには、消費者のニーズや行動を正しく把握しなければなりません。そのために効果的な方法がマーケティングリサーチです。今回は既存ブランドのマネジメントと新商品開発を例に、マーケティングリサーチで消費者のニーズを明確にする方法を紹介します。

マーケティング・リサーチとは?

マーケティング・リサーチとは、商品やサービスのマーケティングを効率的に行うために消費者のニーズを調査することを指します。消費者の意見や購買行動などの定性情報を分析すれば、商品に対するイメージや感想を可視化できます。マーケティング・リサーチによって、消費者がどのように商品を選んでいるのか、なぜ購入したのかなどもみえてくるでしょう。マーケティング・リサーチで得られた情報を活かすことで、より消費者に受け入れてもらえる商品の開発や提供ができるようになります。

 

既存ブランドのマネジメントするためのリサーチ方法

どんなに人気のあるブランドであっても、顧客ニーズの変化などによって勢いに陰りが出てきます。発売以来140年の歴史を誇る三ツ矢サイダーも2000年代の前半に消費者の健康意識が高まった影響で、炭酸水離れが起こり、売り上げが大幅に減少したことがありました。1997年には2870万ケースの売り上げがありましたが、その後売り上げはどんどん減少を続け、2003年には1700万ケースにまで落ち込んでしまったのです。そこで、三ツ矢サイダーではブランドに対するリサーチを行い、「古臭い」など時代遅れのイメージを持たれていることがわかりました。そして、「古臭い」というイメージを変えるために「安心・安全な日本の伝統的な飲み物」としてリブランディングを行ったのです。その結果、2007年には3000万ケースを超える売り上げとなり、V字回復を達成しました。

 

既存ブランドが消費者に変わらずに受け入れられているかを確認するためには、できれば毎月、最低でも3カ月に一度は調査を行ってブランドの健康診断を行うことが重要です。ブランドの健康状態を正しく把握するためには、「小売店のパネルデータを使った調査」「消費者パネルデータを使った調査」「消費者意識調査」の3つの調査を行って多角的に分析することが必要になります。

 

小売店のパネルデータを使った調査

小売店のパネルデータとは、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどから収集した販売データのことです。配荷状況や品揃え、販売価格、店頭での競合状況などを知ることができます。ブランドの健康診断を行うためには、小売店のパネルデータを使って市場全体の動向を大まかに把握することが大切です。データをみる際のポイントとしては、まず市場全体の売り上げをみて市場規模は拡大しているか否かを考えます。そのうえで、主要ブランドのシェアの中でメインプレーヤーの顔ぶれに変化はないかをチェックします。さらに、業態別の市場規模や拡縮データを見ながら業態別の変化はないかを確認すれば、市場での自社ブランドの位置づけが変わっていないかがみえてくるでしょう。

 

消費者パネルデータを活用した調査

消費者パネルデータとは、消費者の日々の購買行動を継続的に追跡しているデータで、購買量や購入頻度、購入金額、購入した商品のブランドなどを知ることができます。消費者の購買行動を詳細に把握することで、ブランドに対する消費者意識の変化をチェックすることが可能です。データをみる際のポイントとしては、まず購入率や購入者のプロファイルから、どのような顧客層に購入されているかを把握します。また、カテゴリーの購入個数に占める自社商品の割合や購入量、購入頻度をチェックすれば、顧客の生涯価値を知ることができます。ブランドスイッチしている顧客の属性と、スイッチせずに購入し続けている顧客の属性を比較することで、どのような人たちがブランド離れをしているのかが把握することが可能です。これにより、早急に対策を行うべき顧客層がみえてくるでしょう。

 

消費者意識調査

消費者意識調査では、消費者がブランドや商品をどのように認知しているかを知ることができます。パネルデータから得られる消費者の行動ではなく、ブランドや商品に対するイメージや感想などを捉えるために効果的な調査方法です。ブランドに対するロイヤルティを把握するためには、NPS®¹の活用が効果的です。NPSは商品やサービスをどの程度他人にすすめたいかをあらわす指標で、推奨度を0~10点で評価してもらう方法で調査を行います。NPSは収益性と強い相関関係があるので、今後の売り上げの先行指標としての活用が可能です。また、「ブランドを認知しているか」「購入を検討したことがあるか」「購入したことがあるか」「現在購入しているか」「今後も購入したいと思うか」などの質問することで、消費者が購入までのプロセスのどの段階にいるのか、ブランド認知から購入までのどのタイミングに問題があるのかをみつけることができます。さらに、ブランドに対してどんな印象を持っているのかを確認することで、抱いてほしいブランドイメージとのギャップが把握できます。より適切なブランドメッセージを届けるための課題もみえてくるでしょう。

 

新商品を開発する際の調査

新商品を開発する際には、消費者にどのようなニーズが隠れているかを調査することが何よりも重要です。新商品のコンセプトを作るためには、日常の生活の中で、いつどんな場所で、どんな心境の時にどのようなニーズが発生するのかを具体的にイメージすることが求められます。そのための調査方法としては、個々の対象者から豊富な情報を得ることができるデプスインタビューが効果的です。デプスインタビューのステップとしては、「写真撮影」や「行動日記」などの事前課題を提出してもらったうえで、デプスインタビューを実行するというフローになります。今回は20代の女性会社員向けに高級アイスの新商品を開発するという設定で、具体的な調査手順を紹介します。

 

ライフスタイルを探るための事前課題

新商品を開発するための調査では、日常の中で、どのような場所や生活シーンでニーズが発生するのかを調査し、そこからヒントを得ることが大切です。そのための事前課題として、ライフスタイルを探るための写真撮影や行動記録を対象者に依頼します。写真撮影のポイントは、自分の部屋、持ち物の中で気に入っているもの、普段アイスをよく食べる場所、アイスを食べるときに使うもの、アイスを買う場所などを撮影してもらうことです。生活シーンをよりリアルにとらえることができ、商品開発のためのヒントも見つけやすくなります。行動記録は、外出した場所や、一緒に言った相手、そこでしたこと、アイスを食べたかどうか、食べた場合はその商品を選んだ理由などを記録してもらいます。さらに、印象に残ったTVや雑誌などの情報、嬉しかったこと、悲しかったことなど心境に関しても記録してもらうことで、心境と商品の関係性を把握することが可能です。

 

消費の気分を知るためのデプスインタビュー

提出されたライフスタイルを探るための課題を踏まえたうえで、デプスインタビューを行います。生活の中でアイスに何を求めているのか、アイスを食べることがその人のどんな価値につながっているのかを探るのがインタビューを行う際のポイントです。質問例としては、「アイスを食べるシーンによって満足感や気分は違うか」「その違いは何に起因しているか」「こんなシーン、気分の時に食べたいアイスはあるか、またそれはどんなアイスか」というものが考えられるでしょう。また、投影法といって、海や森などの風景写真を何種類か用意し、「このアイスを食べるときの気分」に一番近い写真を選んでもらい、そこに投影された気分を自由に語ってもらう方法もあります。このような自由な会話の中から思わぬヒントが生まれてくることもあるので、見逃せない手法です。

マーケティングリサーチを行う際は、「何のための調査か」というように目的を明確にした上で実施することが重要です。目的に応じて使い分け、既存ブランドのマネジメントや新商品開発など、さまざまな場面で活用していきましょう。

 

マーケティング・リサーチに欠かせないNPS解説資料ダウンロード
マーケティング・リサーチに必要なNPSという指標について解説した資料です。

NPSの基本的な解説から実際にリサーチを行う際の活用方法まで事例とともに紹介しているので是非ご一読ください。
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¹NPS® はBain & Company, Inc.、 Fred Reichheld 、 Satmetrix Systems, Inc.の登録商標です

²田中洋編著(2010) 『マーケティング・リサーチ入門』 ダイヤモンド社


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