従業員エンゲージメント調査とは?エンゲージメントを測る指標と質問例を紹介 | 株式会社エモーションテック

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2023.05.10

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従業員エンゲージメント調査とは?エンゲージメントを測る指標と質問例を紹介

従業員エンゲージメント調査とは?

従業員エンゲージメントとは、従業員が自分の仕事に対してどれほど熱意を持ち、仕事のために自ら進んで努力をしているかを表すものです。従業員が組織に対してどれほどコミットしているかも、従業員エンゲージメントに表れます。従業員エンゲージメントが大切なのは、それを高めることで企業全体のパフォーマンスを向上させられるからです。

エンゲージメントを向上させるためには、従業員エンゲージメント調査を適切に行うことが必要です。この調査を行うことで、従業員マネジメントの現状の問題点や、従業員の持つ不満などを明らかにすることができます。エンゲージメントを高めるために優先的に対処するべき課題や問題点、行うべき施策なども検討することができます。

従業員エンゲージメント調査を行うメリット

施策の効果検証

従業員エンゲージメント調査を行うことには、さまざまなメリットがあります。たとえば、従業員の意欲や熱意を知ることは、人事施策のPDCA(計画・実行・評価・改善)を回すのに役立ちます。定期的に従業員エンゲージメント調査を行うことで施策の効果検証ができ、施策をどんどんブラッシュアップすることができるでしょう。

企業収益の向上

従業員エンゲージメント調査を行いながら職場環境を改善していけば、収益の向上につながるという点です。たとえば、あるファストフードチェーンでは、離職率の低い店舗(年間離職率100%)は高い店舗(150%)に比べて、利益率が50%も違うことが明らかになっています。別の例として、日本のホテルを6年間追跡した調査の結果も参考になります。この結果によると、従業員満足度の向上はサービスの質を上げ、稼働可能な客室当たりの粗利益の向上にまでつながることが明確になりました。

定着率向上による採用費の削減

従業員エンゲージメント調査により、従業員の定着率の向上も目指せます。調査によりエース級の社員が不満を抱えていることがわかったら、その課題は何か、どうしたら解決できるかなどすばやくアプローチすることで、大切な人員の離職を防ぐことができるのです。離職率が低下すると、採用コストや研修コストも下げられます。会社の商品でなく営業担当者に顧客がついているような業界では、優秀な営業担当者の離職を防ぐことで、顧客を競合他社に奪われることも防げるでしょう。

従業員エンゲージメントを調査する際の質問例

従業員の満足度調査をする場合、職場や上司、社風など職場環境に関することに対して5段階で満足度を尋ねる方法がよく見られます。質問が簡単なので調査する側は楽ですが、この方法はおすすめではありません。なぜなら、単純に平均点を比較するだけでは課題がはっきりしないケースがあるためです。たとえば、報酬に関する質問ではどの企業でも満足度が低くなる傾向にあります。報酬がボトルネックになっているという認識があってもそれを変えることは難しいケースが多く、結局何も手が打たれないこともあるのです。

Gallup社が提供している、ビジネスパーソンのエンゲージメントを測定するための12の質問を見てみると、従業員満足度を調査するためのフレームワークがあることがわかります。たとえば、「職場で自分が何を期待されているのかを知っている」「仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている」「職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている」などの指標があります。各指標について、「強く同意」〜「強く反対」の5段階で評価していくのです。とはいえ、こちらもこれだけで職場の課題を明確にするのは難易度が高いため、次のように質問するとよいでしょう。

まず、「現在の職場を家族や親しい友人にどれほどすすめたいですか」と質問して、0〜10点の評価で回答してもらいます。0〜6点と答えた人を「批判者」、7~8点と答えた人を「中立者」、9~10点と答えた人を「推奨者」とし、3つのグループに分けます。この結果から、eNPS(職場の推奨度)を算出できます。eNPSは、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値のことです。たとえば、推奨者が50%で批判者が30%の場合は、50%-30%=20となります。推奨者の割合が多いほどeNPSは大きい数字となり、批判者が少ない場合も大きい数字となるわけです。

eNPSの計算方法

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課題発見につながる従業員エンゲージメント調査のポイント

指標を一つに決める

まず1つ目は、従業員満足度を測る質問を一つ決め、その指標に影響を与える要素は何か分析するための質問設計を用意することです。では、職場の課題を発見するために有効な質問設計例を次の段落で説明します。

質問数を制限して回答負荷を下げる

2つ目は、質問数を増やしすぎて回答負荷をかけすぎないという点が挙げられます。従業員エンゲージメント調査として、一年に一度200問程度の質問に答える従業員調査もありますが、設問が多すぎると真剣に答えない人が出てきてしまいます。また、回答を分析して具体的な解決策にまで導くのも難しいでしょう。

定期的な調査

3つ目は、できれば年に3~4回、最低でも2回は調査することです。年に一度限りの調査だと、離職リスクを事前に把握することは難しく、すぐに対策を打てないケースがあるからです。

課題を見つけるための従業員エンゲージメント調査の質問設計例

課題を見つけるための質問設計例では、eNPSを使って従業員エンゲージメントを計測するとよいでしょう。具体的には、「社風」や「裁量」「労働時間」「上司との関係」など、従業員エンゲージメントに影響を与え得る要素を列挙します。これらの要素について、「どの程度職場をおすすめしたいかという質問に回答する際、以下の要素はどの程度プラスもしくはマイナスに影響したか」という質問をします。これにより、従業員エンゲージメントを改善するために何をすべきか、課題が明確になるのです。

回答してもらったら、単純集計ではなく複数の要因の関係を表す重回帰分析をするとよいでしょう。重回帰分析により、他の要因に比べてどの要因がどの程度従業員エンゲージメントに対して影響を持っているかなど、詳しい分析ができます。

eNPSの質問設計例

従業員エンゲージメント調査事例

首都圏で働く方々を対象に調査を行い、結果と合わせてeNPS℠という従業員エンゲージメントを可視化する指標を活用したアンケート作成方法や分析手法を紹介している資料です。
働き方改革の実現に向けて少しでも参考にしていただければ幸いです。

個人情報の取扱いについてはこちらからご確認ください。

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