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従業員満足度調査に潜む、3つの落とし穴

従業員満足度調査とは、その名の通り「会社で働く従業員が、どの程度満足して就労しているのか」を調査することを指します。

従業員満足度は英語で「Employee Satisfaction」ですので、略してES調査やESサーベイと呼ばれることもあります。

近年、従業員満足度調査を実施する企業が増えてきており、労務行政研究所が大手企業を対象に行っている「人事労務諸制度実施状況調査」では、2004年と比べて2倍以上もの実施率となっています(2018年調査時には30.9%)

その背景には、人口減少や少子高齢化に伴う「労働人口の減少」、「人材の流動性の高まり」、その他にも「働き方改革」機運の醸成などがあると考えられます。

従業員満足度調査は、従業員の満足度状態を見える化することで、「組織(従業員)が抱えている課題」を明確にできる、非常に強力なツールです。

その一方、やり方を間違えてしまうと、本当はあまり重要でない組織課題の解決に翻弄されてしまったり、どれだけ人事施策を積み重ねても一向に従業員の満足が達成されない、といった状況に陥ってしまいます。

本記事ではこれまでEmotion Techが行った従業員調査から得られたノウハウをもとに、従業員満足度調査を実施する企業が陥りやすい3つの「落とし穴」をご紹介していきます。

落とし穴①:「満足ですか?」では聞けない本音

従業員満足度調査は、最初に述べたとおり「従業員の満足度を見える化」するための調査です。

そのため、一般的には「現在の職場にどの程度満足していますか?」であったり、「給与には満足していますか?」「人間関係には満足していますか」であったりといった質問を行い、満足度を測定します。

「従業員に満足してもらいたい」「満足していれば、モチベーションが上がり離職も減るはず」と考えられ、利用されてきた満足度。しかし近年では、「満足していますか?」という質問では必ずしも本音が引き出せないことが検証されてきています。

・「大変不満」という回答が出にくい日本の文化的特徴

日本文化は直接的な批判・対立を避けたがる傾向があるとされています。(culture map参照)

そのため、「あなたは(職場に)満足していますか?」という質問に対して、真っ向から「非常に不満です」とする回答が得られにくいのです。

結果、当たり障りのない回答ばかりが集まってしまい、本音を引き出すことができずに調査が終了してしまいます。

・「満足」していても、定着に結びつかない

「満足している」という状態は、実は「心で満足している状態」と「頭で満足している状態」の2種類に分けられることがわかっています。

頭の満足とは、合理的な判断や基準で満たされる満足のことで、例えば「給与が高いから満足」「自分のスキルを活かせるから満足」などが当てはまります。

一方、心の満足とは、感情的な判断や基準で満たされる満足のことを指し、例えば「この会社が好き」「自身の業務に愛着がある」などが挙げられます。

転職市場が活性化するほど、良い条件の会社・求人が増え、頭の満足しか満たされていない従業員はより良い条件を求めて、転職する可能性が高くなります。優秀な人材に定着してもらうためには、こうした「心の満足」を満たしてあげることが重要になるでしょう。

落とし穴②:平均点では正しい課題が見つけられない

2つめは分析の手法に関する注意点です。

従業員満足度調査の回答データを分析する方法は様々ありますが、今回は一般的に用いられている平均点を取り上げます。

従業員満足度調査では、「人間関係に満足していますか?」や「仕事の評価に満足していますか?」などといった質問から、人間関係の満足度や評価の満足度を計測し、全社または各部署ごとに平均点を算出する方法がよく用いられています。

平均点を計算すること自体はもちろん問題ありませんが、平均点だけを使って組織課題を決定してしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。

・項目の中には、平均点が低くなってしまいがちな項目が存在している。

「給与」を例にとってみます。

おそらくほとんどの方が、給与は高ければ高いだけ嬉しい、と考えているはずです。

そのため、「大変満足している」という回答が得られにくく、自然と点数が下がってしまいます。

すると、項目の平均点を横並びで見たときには「給与」の満足度が低いはずなのに、実はあまり不満が大きくなかったり、せっかく給与制度をリニューアルしても満足度が高まらない、という状態に陥ってしまいます。

・「何が従業員にとって大切なポイントか」が置き去りにされてしまう。

経営者や人事の方からすれば重要だと考えている項目が、必ずしも従業員にとって大切なポイントではないケースが多々あります。

例えば、「福利厚生に満足していますか?」という質問をして、平均点が低かったと仮定します。

点数が低いので、福利厚生を充実しなければと考え、施策を打ったとしても、従業員の方からすれば「福利厚生は別に充実していなくてもよい」と考えられていた場合には、組織状態の改善に寄与しない可能性が高いです。

もちろん、不満が表出しているポイントを解決することは重要なことですが、合わせて従業員や組織にとって「どの程度重要なのか」を分析する必要があるでしょう。

落とし穴③:少なすぎる調査回数

従業員満足度調査は多くの企業で、年に1回や2回程度とあまり頻繁には行われていませんでした。一方で、従業員の方を取り巻く環境は日々変化いていきます。四半期や半年に一回行われる業務評価、担当している業務やプロジェクトの進捗具合、テレワークを始めとする働き方改革による違和感など、多様な要因によって状態が変化していきます。1年間エンゲージメントやモチベーションが一定で持続する方のほうが、珍しいのではないでしょうか。

こうした調査は年に一回で十分と考える方の中には、「それ以上実施しても改善施策に手が回らない」と考えている方も多いようです。確かに、従業員調査のデータをもとにした人事制度の改善や給与体系の変更などといった、全社での大きな施策は年に何度も実施することは難しいと想定されます。

しかし、組織課題の解決は必ずしもこうした人事・経営主導の大きな施策によって解決されるものばかりではありません。時には、組織のマネージャーを中心に細かな改善の積み重ねによって解決される課題も多く存在します。

こうした場合には、組織の診断結果を各部や新入社員に限定して分析することで、特定の従業員が保有する課題を解決し、徐々に組織状態を高めていく活動が重要だと考えられます。

従業員エンゲージメント調査は、まずその状態を「見える化」することで課題を関係者全員が認識し、自律的な改善を行える状態が理想と言えます。

東急エージェンシーでは、調査から得られた結果をもとに、いくつもの施策をスピーディーに実施、組織開発を効率的に実行しています。

 

※調査結果は社内報やイントラ内で社員にフィードバックを行う

詳細はこちら>https://www.emotion-tech.co.jp/case/2019/tokyu-agency

 

近年では、海外を中心に「パルスサーベイ」といった、月に一回や四半期に一回など定期的に組織状態をモニタリングする手法が活用されています。

落とし穴に陥らないために

これまで従業員満足度調査を実施するにあたって気をつけるべきこととして、下記3つを挙げました。

・満足度質問では本音が引き出せない可能性がある

・平均点ではなく、「何が影響しているか」を同時に分析することが重要

・調査回数は年に一回では不十分。定期的にモニタリングを行うべき

Emotion Techではこうした問題の対応策として、eNPSsm指標の導入をおすすめしています。

eNPSは「employee Net Promoter Score」の略で、「現在の職場で働くことを、親しい友人や知人にどの程度おすすめしたいか?」という他者への推奨度を聞く質問から点数を計算します。

非常にシンプルな指標ですので、モニタリングとして最適であるだけでなく、満足度では浮き彫りにならない課題が判明することが多くあります。

またこうした指標に合わせて、組織課題に関する項目を質問し、エンゲージメントに関する課題を特定することが可能です。

eNPSを導入した事例や、これまでの従業員満足度調査をより良くする方法など、是非お気軽にご連絡ください。

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働き方改革の実現に向けて少しでも参考にしていただければ幸いです。

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