株式会社東京ドーム | 株式会社エモーションテック

CASE STUDIES

導入事例

株式会社東京ドーム

 (写真左)係長 赤木 葉月さま
(写真右)マーケティング戦略部 マーケティングコミュニケーショングループ 課長代理 望月 秀吉さま 

東京ドームシティのブランド価値向上に向けてCX調査を始動。 あらゆる角度から顧客ニーズを捉え、 もっと”感動”していただける「街」づくりを目指す。

株式会社東京ドームは、東京ドームをはじめとするエンタテインメント施設が集結する街「東京ドームシティ」を開発・管理・運営しています。東京ドーム以外にも、遊園地やイベント、ショッピングやスパと多種多様な事業を展開。今回は、マーケティング戦略部のお二人に、顧客体験マネジメントサービス「EmotionTech CX」を活用したCX向上施策について取材しました。



―「EmotionTech CX」導入の背景を教えてください。

望月秀吉様(以下、望月氏):
私たちが所属するマーケティング戦略部は、2020年11月に立ち上がったばかりの部署です。東京ドームシティ全体のブランド価値向上をメインミッションに掲げています。この部署が立ち上がる以前は、覆面調査での接客評価や来場者調査などの定量調査を実施してきましたが、顧客の声を起点としたCX調査は実施していませんでした。
個別の施設における最適化はもちろんですが、今後は東京ドームシティ全体の最適化を考え、東京ドームシティという「街」としてお客様に愛される存在になることが重要と捉えています。

マーケティング戦略部 マーケティングコミュニケーショングループ 課長代理 望月 秀吉さま

では、どうすればシティ全体を楽しんでいただくことが出来るのか?これを考えるため、私たちは各施設が統一して使える顧客ロイヤルティ指標として、NPSに着目しました。

NPSを活用した導入支援実績の豊富さや、各施設と東京ドームシティ全体の関係性を包括的に捉えた分析が出来る点に魅力を感じて「EmotionTech CX」を導入しました。

赤木葉月様(以下、赤木氏):
私たちが手がけるサービスは、野球やコンサート、遊園地やショッピングなど実に多岐にわたりますが、どのお客様にも感動してもらえる瞬間を過ごしていただきたいと考えています。

マーケティング戦略部 マーケティングコミュニケーショングループ 係長 赤木 葉月さま

この実現には、お客様の声を正しく分析していくことが重要です。
「正しく」という表現を使ったのは、多様な目的やニーズを持ったお客様が東京ドームシティにはいらっしゃるからです。つまり、様々なお客様の傾向を分類し可視化した分析が出来るということが重要であり、「EmotionTech CX」であれば顧客体験毎の分析やお客様の属性に分けた分析も出来るため、当社のアウトプットイメージに合致していると感じました。
また大切な方にどのくらいおすすめすることができるのかというNPSの考え方を基盤としている点も良く、「お客様と感動を共有する」という当社の経営理念にも繋がるのではないかと感じています。

顧客を属性別に分析。見えてきた仮説から施策を実行し、調査で効果検証を続ける。

―現在実施している調査と、明らかになったことについて教えてください。

望月氏:
現在は、ホテルやスパ、商業施設をはじめとする主要20施設の利用者や様々なイベントの参加者、TDポイント(※)会員を対象にCX調査を行っています。調査内容は、施設やサービスに特化した質問と東京ドームシティ全体に関する質問の2種類で構成しています。

※TDポイント…東京ドームグループ各施設でおトクなポイントが貯まるプログラム

実際に調査をしてみて、来場目的は同じであってもその活用のされ方は多様であるということが分かりました。これは、CX調査を始めてみなければ分からないことでした。

赤木氏:
最も多くの回答が集まっている東京ドーム天然温泉「スパ ラクーア」では、男女のニーズが全く違うことが分かりました。

例えば男性のお客様は、短時間でスパやサウナ施設を利用した後に軽食を摂って帰宅するといった利用方法が多い一方で、女性のお客様は平日にお休みをとって来館され、1日かけてゆっくりとスパやエステをお楽しみになって帰宅するというような過ごし方が多くみられました。

また、女性は利用金額が高ければ高いほど推奨度が高いという傾向がみられました。

以上の分析から、料金プランの見直しの必要性や、新たなサービス開発の動きも生まれています。これはCX調査による成果だと思っています。

望月氏:
調査結果から導き出した仮説を、コワーキングスペースの改装にも活かしました。半個室スペースを増設したり、既存スペースを改良することによって、結果的に推奨度の改善につながりました。

半個室のワークスペース

ある期間に行った調査では、「プライバシーに配慮している」という顧客体験が、全体の推奨度を低下させている体験となったことがありました。

詳細を確認してみると、女性に比べ男性の推奨度が低下していました。しかし、そもそもこの体験は、女性のプライバシー配慮を想定した体験だったため、男性にとっての落ち込む体験となってしまっている原因がわかりませんでした。

チーム内でディスカッションする中で「プライバシー」を「セキュリティ」として捉えなおしてみたらどうかという仮説があがりました。
ちょうど世間はコロナ禍によるリモートワークが一般化していた頃。スパ内のラウンジフロアでは、PC作業をする男性の姿が増えていた時期でした。

このような仮説から、コワーキングスペースの環境を整え、増設もしたところ、毎日、多くのお客様にご利用いただいております。コワーキングスペースを導入してから少し経過した後の調査結果を見てみると、影響度分析のギャップが縮まったことがわかり、推奨度が改善していたのです。

根気強く「定常調査」を行い、顧客と向き合い続けることが重要。複雑な顧客傾向も把握できる。

―東京ドームシティ全体を通して、調査から何かわかったことはありましたか。

望月氏:
前述の通り、私たちのお客様は目的が多岐にわたる上、気温や気候、イベントの有無などの外的要因も多く、顧客ロイヤルティを高めるという上で考慮すべき点が盛りだくさんです。

同じように野球観戦にご来場のお客様であっても、その開催時期によってお客様の高揚感は変わりますし、同じ8月でも、その日が雨なのか晴れなのかで推奨度は変化してしまいます。

しかし、このような状況であっても、顧客の傾向や共通点を見出すことは出来ると思っています。本格的な調査を始めてまだわずか1年程ですが、大事なことは、定常的に根気強く顧客調査を行いながら調査内容を進化させていくことだと考えています。

最近の傾向としては、コロナの影響もあり、いらっしゃるお客様の属性ががらりと変わりました。遠方からの来場客は少なくなり、東京ドームシティ近隣エリアにお住まいの方々が中心となりました。その結果、近隣エリアにお住まいのお客様のニーズが解像度高く見えるようになり、もっとその方々に喜んでもらうための仕組みづくりが出来ることが分かってきました。

例えば、施設Aの後に、施設Bに向かうお客様が多数いらっしゃるといったような施設間の親和性についても傾向が見えてきています。

近隣エリアのお客様は、東京ドームシティを日常的にご利用されていますので、より長期間ご利用が出来て、よりお客様が自然と足を延ばしやすい施設へのクーポンをご提供するなど、東京ドームシティとしてお客様にご提案できるアイディアがまだまだ考えられると思っています。

赤木氏:
また調査から、推奨度の高いTDポイント会員様が、施設を複数利用する傾向にあることもわかってきましたまた、今はまだ会員ではないけれど、TDポイントに関心があるという方の推奨度も高く、今後はそのような高い推奨度の方々に向けていかにTDポイントの魅力を伝えていけるのかということも、併せて考えていきたいポイントです。

単にポイントが貯まり使えるということだけではなく、会員になることによって享受出来るサービスを増やすなど、より魅力的な会員向け施策を考えることが重要だと思っています。

―NPSや顧客体験の分析や結果の考え方について、社内浸透はどのように行っていますか。

赤木氏:
各施設の担当者に向けて、調査結果の読み解き方に関する勉強会を重ねてきました。顧客調査といえば、負荷が高い印象や「本当に意味のある改善に繋がるのか?」という疑念を持つ人も少なくないため、単純な分析手法を伝えるだけでなく、改善施策に繋がった具体例についても伝えてきました。

例えば、「スパ ラクーア」の調査からは見えていることが大きかったので、好事例として伝えてきました。
そのような中、最近では、施設の担当者がアルバイトさんや社員に説明するという動きが出てきました。CX調査が浸透してきているという証ですし、喜ばしいことだと思っています。

―「EmotionTech CX」で気に入っていただいているサービスがあれば、教えてください。

赤木氏:
様々な角度から分析が出来る点です。
特に、ジャーニーマップ分析と属性別分析は重宝しています。自社が強みであると思っていたことの裏付けが出来たり、「まさかそんなところが?」という意外な課題点を見つけることも出来る点には、助けられています。

また、最近よく使っている分析方法が、複数の属性同士を掛け合わせて比較する「掛け合わせ分析」です。
これは、例えば「主婦、主夫」×「東京ドームシティの近隣エリア(文京区、千代田区、新宿区)」(在住エリア)と、「主婦、主夫」×「全体」(在住エリア)というデータを掛け合わせて比較するというような分析方法のことで、打ち手を検討する上での示唆を得ることが出来ます。

下記の図を見ていただくと、全体の結果に対して「主婦、主夫」×「東京ドームシティ近隣エリア(文京区、千代田区、新宿区)」では、「ショッピング店舗の種類・数」という体験のギャップが推奨度を引き下げている要因となっていることが分かります。

つまり、「近隣エリア」の「主婦、主夫」のお客様は、「主婦、主夫」全体と比較したときに「ショッピング店舗の種類・数」という体験に改善の必要性を感じていると捉えることができます。

望月氏:
CX分析は専門性が高く、分析の方法やデータ解釈の難易度が高いと思っています。
そのような中、エモーションテックのカスタマーサクセスの皆さんには適宜アドバイスをいただき、良き壁打ち相手になってもらっています。本当に心強い存在です。

最後に、今後挑戦してみたいことを教えてください。

赤木氏:現状の顧客調査に加え、市場調査も行ってみたいと考えています。 未だ見ぬお客様がどうして東京ドームシティに来場しないのか、その理由も調査と共に明らかに出来ればと思っています。

望月氏:
私は、顧客の声を仮説と共に分析し改善施策を行うという一連の顧客体験マネジメントのサイクルを、日頃からとても楽しく取り組んでいます。というのも、この調査から得られる示唆が想像以上に多く、今後も様々な施策が出来ることにワクワクしているからです。

また、マーケティング戦略部の私たちだけでなく、すべての施設の担当者が自分自身でお客様の声を改善に活かすというプロセスを楽しむことが出来れば、喜んでくださるお客様が増え、東京ドームシティがお客様に愛される存在になると信じています。

 

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