アップセル・クロスセルとは?顧客単価やLTVを向上させる方法と事例 | 株式会社エモーションテック

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2023.09.22

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アップセル・クロスセルとは?顧客単価やLTVを向上させる方法と事例

事業をスケールさせるにはアップセルやクロスセルによって顧客単価を高め、ひいてはLTVを向上させていく必要があります。
ではアップセル・クロスセルを実現させていくためには何に取り組んでいくと良いのでしょうか。

本記事では事例を交えながら、アップセル・クロスセルを実現させるコツについてご紹介します。

アップセルとは?

アップセルとは、顧客の単価を向上させるための営業手法の一つで、現在ある商品を検討している顧客や以前商品を購入した顧客に対しより高額な上位モデルに乗り換えてもらうことです。

たとえば、10万円のPCユーザーに高機能な分単価の高い15万円のPCを購入してもらうことや、年会費無料のクレジットカードから、ゴールドカードに変更してもらうことがアップセルにあたります。

クロスセルとは?

クロスセルとはある商品の購入を検討している顧客に対し、別の商品もセットもしくは単体で購入してもらうためのセールス手法になります。

たとえば、スマートフォンを購入した際に、ケースや画面の傷を防止するシートの購入を提案したり、Amazonで買い物をする際のレコメンド機能などはまさにクロスセルを狙った販促方法といえます。

クロスセルの利点もアップセル同様新規顧客を獲得するよりも低コストで売り上げを向上させることができる点にあります。

アップセル・クロスセルを増やして顧客の単価を上げる方法

アップセル・クロスセル施策を考える際に大切なのが、誰に、どのような商品を提案するかです。

一般的にアップセル・クロスセルの施策がうまくいくセグメントはプロダクトやサービス、または会社のブランド自体にロイヤルティ(信頼度・愛着)が高い顧客層だといわれています。なぜなら、アップセル・クロスセルの提案は顧客が明確にニーズを持っていないものを宣伝する施策であるため、ロイヤルティが低い顧客に対しても画一的にキャンペーンを行ってしまうとキャンペーンが無駄に終わるばかりか、より悪い印象を与えてしまう可能性があります。

したがって、アップセル、クロスセルを成功させるための要素としては、ロイヤルティの高低を分類するための方法が必要になります。

ロイヤルティごとのセグメント分類に活用できる指標がNPS®という指標になります。

NPS®とは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で2003年にアメリカの大手コンサルティング会社であるベイン・アンド・カンパニー社のフレドリック・F・ライクヘルド氏がハーバード・ビジネス・レビューで発表し、GEやアップル、レゴなど様々な企業がその有効性を証明したことで、急速に広がっていきました。

NPS®を計測するためには、「あなたは○○を友人にすすめたいと思いますか?」と質問し、0〜10点で評価してもらいます。

その中で0〜6点を付けた人を「批判者」、7・8点を付けた人を「中立者」、9・10点を付けた人を「推奨者」と分類します。

NPS®は「推奨者」の割合(仮に45%)から「批判者」の割合(仮に20%)を引いた数値(45%-20%=25%)のことを指します。(つまり、推奨者が増えるほど数値が高くなり、批判者が減るほど数値が高くなるように設計されています。)

NPSの設問

より詳しいことについては『NPS®とは?顧客満足度との違い・質問方法・事例まで詳しく解説!』という記事でも紹介していますが、特徴としては顧客ロイヤルティを可視化することができるだけでなく、収益性と相関が強いことが挙げられます。

ロイヤルティの高低を判別してセグメント分類するためには、NPS®の「推奨者」「中立者」「批判者」の分類をそのまま活用します。

NPS®調査で「推奨者」に分類される顧客は、「中立者」や「批判者」と比較し、収益性が高いといわれています。

したがって「推奨者」に絞ってアップセル、またはクロスセルの施策を打つことで顧客体験を損ねるリスクを減らすことができます。

また、同時に「推奨者」がなぜロイヤルティが高いのか、評価のポイントを分析することで、サービスやプロダクトのどこに価値を感じているのか洗い出すことができます。

顧客が価値を感じている要素を明確にできると、その価値に沿った提案をすることができるのでアップセル・クロスセル施策をよりインパクトのあるものにすることができます。

関連記事:NPS®調査の分析方法とは?CX向上につながる集計と分析のポイント

NPSと収益性のセグメント例

成功事例:株式会社ヤクルト球団

ヤクルト球団ロゴ

ヤクルトスワローズはまさに顧客ロイヤルティを向上させ大幅なアップセルを実現した成功事例になります。

ヤクルトスワローズは「Swallows CREW」という球団ファンクラブを運営しています。

そのファンクラブ会員が抱える課題を明確にし、少しでも満足してもらうことができる施策を検討するためにNPS®調査を導入しました。

ファンクラブにはプラチナ会員、ゴールド会員、レギュラー会員、キッズ会員、ライト会員、無料会員の6つのグレードがあります。

そして、調査の結果、ファンクラブに入会すると貰える記念品の中でも特にユニフォームをもらえるというところがロイヤルティ向上に大きく影響していることがわかりました。

そこで、プラチナ会員になると記念品の中からユニフォームを選択できるようにしたところ、プラチナ会員に入会するファンを劇的に増やすことに成功しました。

この事例はまさにファンクラブの会員に寄り添って課題を解決した結果アップセルにつながった事例といえるでしょう。

この記事を読んでくれている方もNPS®を活用した、ロイヤルティ向上のための施策を検討してみてはいかがでしょうか。

NPS®解説資料ダウンロード

NPS®解説資料ではより詳細な質問設計や統計解析に関する手法、解決策の考え方などを含めた事例を紹介させていただいています。

自社ブランドやサービスに対するロイヤルティを向上させるために少しでもお役立ていただけると幸いです。
是非ご一読ください。
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