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NPS(ネットプロモータースコア)とは?

NPSとは「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標です。NPSが上位の企業は高い事業成長率を保っており、NPSを導入することで収益向上を実現しようとする企業が増えています。

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1,NPS(ネット・プロモーター・スコア)とは?

(1)NPSの概要について

「あなたはこの商品を親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?0~10点で点数を付けてください。」

今、この質問が様々な企業で利用されています。気づかないうちに、皆さんも答えられたことがあるかもしれません。

これはNPS(エヌ・ピー・エス)を計測するための質問です。

NPSとは「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略でこれまで計測することが難しかった顧客ロイヤルティを数値化する指標です。

この指標は2003年にアメリカの大手コンサルティング会社であるベイン・アンド・カンパニー社のフレドリック・F・ライクヘルド氏がハーバード・ビジネス・レビューで発表し、GEやアップル、レゴなど様々な企業がその有効性を証明したことで、急速に広がっていきました。

現在でも、NPSは欧米の売上上位企業(フォーチュン500)のうち3分の1以上が活用していると言われており、例えばアメリカンエクスプレスやP&G、グーグルもこの指標を活用してサービスに対するロイヤルティを計測し、日々サービスの改善に務めています。

 

(2)NPSの計算方法を理解しよう

NPSを計測するためには、「あなたは○○を友人にすすめたいと思いますか?」と質問し、0〜10点で評価してもらいます。

その中で0〜6点を付けた人を「批判者」、7・8点を付けた人を「中立者」、9・10点を付けた人を「推奨者」と分類します。

NPSは「推奨者」の割合(仮に45%)から「批判者」の割合(仮に20%)を引いた数値(45%-20%=25%)のことを指します。(つまり、推奨者が増えるほど数値が高くなり、批判者が減るほど数値が高くなるように設計されています。)

 

2,NPSの特徴

(1)企業成長とNPSの関係

NPSの最大の特徴として収益性と強い相関関係があることがあげられます。

下記に示しているのはPC業界と生命保険業界における年平均成長率とNPSの相関関係を図に表したグラフです。

下図の通りPC業界と生命保険業界はビジネスモデルが大きく異なりますが、同じようにNPSが高い企業ほど年平均成長率が高くなっていることがわかります。

このように、多くの場合業界や収益構造によらず顧客のロイヤルティが企業の成長性を左右することが考えられます。

 

 

(2)短期収益目標とNPSの関係

また、NPSは長期的な会社の成長性だけではなく、短期的な業績とも関係することがわかっています。

下記の図は左から(Ⅰ)受注率、(Ⅱ)稼働率、(Ⅲ)直近購入日からの経過日数とNPSの相関を示したグラフになります。

(Ⅰ)は、ある企業における営業組織ごとの受注率とNPSの関係を示した散布図になります。

この図にはNPSが高い組織ほど受注率も高くなる傾向にあることが示されています。

特にこちらの企業では「単価が非常に高く、購買頻度が低い」という事業特性があるため、「受注率」を非常に重要な短期収益目標として追っていました。

NPSはその「受注率」とも強い相関関係にあるため、営業組織ごとの目標達成率を改善するための指標として活用することができます。

(Ⅱ)は、ある施設を運営している企業の稼働率とNPSがどのように連動しているかを示したグラフになります。

こちらのケースでは施設稼働率がNPSのトレンドをほぼ4か月遅れで追っていることがわかります。

また、この企業様では施設の稼働率が売り上げを決める決定的な要因となっているため、NPSを短期収益にとって非常に重要な先行指標として活用することができます。

(Ⅲ)は、ある企業様のECサイトにおける購入頻度とNPSの関係を示しています。

ここからは、NPSが高い人ほど、直近購入日からの経過日数が少ないため、より頻繁にサイトに訪問して買い物をしている傾向があるということがわかります。

したがって、ECサイトを運営する際にもNPSを計測し、数値を変化させる原因を探ることで、収益向上につながることが示唆されます。

 

(3)顧客満足度とNPSの違い

以上のことからNPSは企業の成長性と強く結びついており、短期的な収益を追う際にも役立つということがご理解いただけたかと思います。

しかし、従来多くの企業で活用されてきた顧客満足度調査とはどのように異なるのでしょうか。

大きく違うのは、主に収益性との連動するか否か、という点です。

顧客満足度の調査では「満足度」を点数化し評価しますが、これはあくまでも現時点での評価を聞いているだけにすぎません。

これに対して、NPSは「推奨意向」を点数化するため、未来の行動を確認しているといえます。

実際に(1)企業成長とNPS(2)短期収益目標とNPSではNPSが収益性と連動するというデータをご紹介しましたが、顧客満足度調査では離反客のうち80%が直前の調査で「満足している」と答えていたことを指摘する文献がありあります。したがって、いくら満足度調査を慎重に行い満足度を向上させる施策を検討しても売り上げに大きなインパクトがないと考えられます。

ではなぜNPSは収益性と強い相関関係がみられるのでしょうか?

NPSのルーツはもともと「収益性と連動するロイヤルティ計測のための指標を探す」という発想から研究が始まっています。

NPSを考案したベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルド氏は著書『ネット・プロモーター経営』において、NPS開発に取り組み始めたきっかけとして「ゼネラル・モーターズは2005年春、顧客満足度調査最大手であるJDパワー・アンド・アソシエイツから数々の賞を受け取ったのにもかかわらず、ビジネス面では市場シェアが低下し、社債格付けが投資不適格に引き下げられた」出来事を挙げています。

このように、顧客ロイヤルティと収益性の関係を解き明かすために試行錯誤を掲げた結果が、推奨意向を質問し、顧客を「推奨者」「中立者」「批判者」にセグメント分けする手法なのです。

 

(4)まとめ

・NPSとは、シンプルな質問と計算式で顧客ロイヤルティを数値化する指標

・顧客満足度と違い、収益性と強い相関関係を示す

近年、日本でもNPSに大きな注目があつまっており、ありがたいことに弊社でもたくさんのクライアント様にロイヤリティ向上のためのご支援をさせていただいております。

NPSは確かに単純な質問と計算式により求めることができます。しかしながら、多くのNPSに関する取り組みを始めている企業様であっても「NPSを導入したはいいが、分析の方法がわからない」「否定的なコメントであげられる要素に対策を打っているが、一向にNPSが向上せず本当に有効な指標なのかわからない」という悩みを抱えられているケースが多くみられます。

NPSを活用しロイヤルティを向上させるためには、綿密な調査設計の下集計したデータを統計解析して、ロイヤルティに影響する要因を一つ一つ紐解いていく必要があります。

下記のモデルケースには保険会社の営業企画部でNPSを活用し実際に成果を上げた事例を分析手法なども含めて具体的にご紹介しておりますので、ご参考にしていただければ幸いです。

 

3,モデルケース:大手生命保険会社の例

(1)NPS導入の背景

今回課題を抱えていたのはある国内大手保険会社勤務15年目の営業企画職のAさんです。

Aさんは入社後、支店における営業サポートやマネジメント職を経て半年前に営業企画職に移転になったばかりで、全国に約1000店舗ほどある営業拠点の店舗当たりの売上を増やすことをミッションとして持っています。

Aさんが勤める生命保険会社は昔から顧客第一をスローガンに掲げており、長い間自主的に顧客満足度調査も行ってきました。特に最近は顧客満足度を向上させて収益を増やすという方針が強く推進されており、満足度に関しても向上させていく必要があります。

Aさんも店舗当たりの収益を増やすためにはまず満足度を向上させる施策に取り組もうと決め、この半年間満足度の低い顧客の意見に注意深く耳を傾け、対策を講じてきました。しかし、いくら批判的な意見に対応しても満足度は向上しません。

また、それに加え、世帯年収の減少や、共働き増加によるリスク分散に伴い店舗ごとの売上高も厳しくなる一方です。このままではミッションをクリアすることができないと考えたAさんはまず新規顧客の獲得に注力しようと決め、そのために調査方法から分析手法まで一度見直そうと考えました。そして調べた結果、NPSという指標に行きつきました。

解説を見る限り、NPSはより収益性に連動した指標であることがわかり、早速上司を説得し取り入れることを決定しました。

(2)NPSを調査する

まず今回の調査の目的は新規顧客を獲得し店舗当たりの売り上げを増やすために顧客ロイヤルティに悪影響を及ぼしているタッチポイントの特定することです。

調査の方法は契約した直後の顧客にはメールを送り、オンライン上で集計しました。

また、既存の顧客に対しては、更新に関する書類などを送るタイミングでアンケートを同封し、一緒に送り返すようお願いしました。

AさんはNPS調査の質問票を作るにあたり、まず顧客とのすべての接点における評価を可視化するためにカスタマージャーニーマップをまず作成しました。

カスタマージャーニーマップとは自社が抱えている顧客がサービスを認知する段階から最終的に購入に至るまでの、行動や感情のプロセスを図示化したものになります。

顧客が生命保険に関する情報を得く機会や会社との接点を整理することで、どのポイントがNPSを下げる要因になっているか明確にすることができます。

今回は下記の通りマップを作成し、各タッチポイントにおける評価を集計しました。

 

(3)NPSを分析して解決策を考える

得られたデータから、NPSの現状の評価とNPSに影響を与える度合いをグラフにしたものが下記の図になります。

赤線は現状の各要素ごとの評価を示しています。また、青線は各要素のNPSに対する影響度合いを示したものです。

したがって、赤線と青線のギャップが大きいほど、NPSに与える影響度合いは大きいのにもかかわらず、現状低く評価されているということになり、改善の優先度が高くなります。

この分析を行いA氏が特に驚いたのは、現状の問題認識と大きくギャップがあったことです。

これまでの顧客満足度調査では、「書類などの手続き関する煩雑さ」や「保険内容のわかりやすさ」などに関するクレームが多く手続きの簡略化や、パンフレットを工夫して少しでもわかりやすい資料をつくすることに時間をかけていました。

しかし今回の調査で統計的な手法を使い解析した結果、優先的に改善が必要な要素としてあがってきたのは「信頼・期待できる雰囲気」「保険を考えている背景・要望についての理解」の2つでした。

この分析を具体的なアクションに落とし込むためにNPS評価と同時にとったコメントから、なぜギャップが生じるのかさらに分析しました。

その結果、「自分の話をよく聞いてくれるか否か」がギャップを生じさせる要因として浮かび上がってきました。

Aさんは早速、各営業担当者にも顧客と接する際に相手の話に耳を傾けることが重要であるという意識を持ってもらうために、顧客へのアンケートに「営業担当者はよく話を聞いてくれましたか?」という質問を追加し、その項目の評価が高い担当者を表彰するだけでなく、ノウハウをベストプラクティスとして全社員に向けて発表してもらうようにしました。

それに加えAさんは、NPSによる評価がリアルタイムで集計され、営業担当者一人一人がダッシュボード上で自分の評価を確認できるクラウドを導入しました。

このクラウドシステムにより、顧客が「傾聴力」に関して低い点数をつけた場合、すぐに担当者にアラートが飛ぶようになり、その日のうちに上司と面談を行い具体的な改善策を話し合うようにしました。

また人材育成部のMさんに声をかけ、「傾聴力」に重点を置いたトレーニングを企画してもらいました。

(4)NPS改善活動の結果とその後の展開

Aさんがリーダーシップをとり1年間根気よくNPSに基づく改善活動を続けた結果、NPSは8%向上し、数ある課題も優先順位をつけて効率的に取り組むことができるようになりました。

また、新規顧客獲得数はもちろんのこと、既存の顧客から紹介してもらえる件数も大幅に増えてきています。調査を開始した当初は想定していなかった副次的な効果として解約率もじわじわと減少してきました。

今後は、解約率を低下させる施策を検討するために契約後のカスタマーエクスペリエンスに関して重点的にNPSを活用し調査する予定です。

 

NPS解説資料ダウンロード

 

NPS解説資料ではより詳細な質問設計や統計解析に関する手方、解決策の考え方などのノウハウを紹介させていただいています。

自社ブランドやサービスに対するロイヤルティを向上させるために少しでもお役立ていただけると幸いです。

是非ご一読ください。

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